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by PFart

現代アート/チャロー!インディア インド美術の新時代

『チャロー!インディア インド美術の新時代』
2008.11.22〜2009.3.15
森美術館(東京・六本木)
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入ってすぐの部屋の奥に、さっそく曼荼羅的な巨大な極彩色ちっくな作品が見え、おお、パワフルだ!インドっぽい!と、気分も盛り上がった。広い館内にはたくさんの作品が展示されていて、カラフルで明るく、なおかつ思った以上に洗練されていた。

インドは、カーストが抜けきらなかったり、富裕層と貧困層の差がひどかったり、環境問題がまったく気にされてなかったり、経済発展の中で色んな矛盾が生まれつつあったりと、日本と同じかそれ以上にたくさん問題を抱えている。しかしながら、作品群が発するこの底抜けの明るさ、ちから強さは一体なんなんだ。やはりインドはいい意味でつかみ所がなく、謎めきつつも、人々の心を鷲掴みにする。精神的求心力がある国だ。





気になった作品を紹介する。

最初の部屋の床に、巨大な象が横たわっていた(バールティ・ケール「その皮膚は己の言語ではない言葉を語る」)。等身大の象は柔らかそうな素材で出来ていて、つい触ってみたくなるような質感。焦げ茶(黒?)の肌に白い小さな模様がひしめいているが、イヤホンガイドによるとそれは精子の形なのだそう。ヒンドゥー教の女性が額に赤い顔料やシールでつけている「ビンディー」と同じ印で、既婚者が夫のみに仕えることを示すらしい。ぺたんと床に全身をゆだねた象は、苦しんでるようにも見えるし、休んでいるだけのようにも見える。でも無数の「ビンディー」をまとった姿は、やはり何かしらの重圧を背負っているようだった。

スクリーンに自分の影が投影され、そこにゴミ(の影)が上からどんどん落ちてきて、自分の影にくっつくという作品があった(シルパ・グプタ)。これは大人も童心に帰る作品だ。手足をばたばた動かしてゴミを離そうと躍起になってしまう。他の人の横をすり抜けると、その人にゴミを渡すこともできる。これは本当に楽しかった。最後には、大量のゴミに埋もれてしまうというオチ付きだ。

ジャガンナート・パンダという作家の、動物をモチーフにした絵画やオブジェは、綺麗な模様の布(シルク?)が所々に使用されていて、インド的な繊細さが現れていて良かった。石膏板に金箔などで人やさまざまな形を細い線で描いた、これまた繊細な作品群(プラバヴァティ・メッパイル)。まるで霧に包まれたかのように、ぼんやりしたラインは、モチーフを幻想的に見せる。じっと見ていると心の平穏が訪れそうな気が。ヨーガの世界だ。

以上、ほかにも色々あるが、思い出したものをつらつら書いた。
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by PFart | 2009-01-08 01:46 | ART/現代アート展