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by PFart

現代アート/椿昇展『2004ー2009: GOLD/WHITE/BLACK』

『椿昇 2004ー2009: GOLD/WHITE/BLACK』
2009.2.17-3.29(訪れた日:3.28)
京都国立近代美術館
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謎の白い物体

入ってすぐのスペースに、どかんと大きな白い物体がある。1〜2階吹き抜けロビーの全体を占めるバルーン状のもの。あまりに大きすぎて全体像がなかなか掴めない。

受付でもらった解説をみてみると・・・。
タイトルは“mushroom”で、「国産のICBM工場」を表しているらしい。ICBMとは、大陸間弾道ミサイル(intercontinental ballistic missile)のこと。このバルーンはその形を模したもので、ミサイルなのだが、ふにゃふにゃして頼りない。自衛隊とか軍備とか持ちつつも、使うことができない日本、というのを表しているのか。なんだか滑稽な感じがする。とりあえず、この常軌を逸したビッグサイズにおののき、よくわからんけど、なにやらすごい展覧会の予感がしつつ3階の会場へと向かった。



壮大なものがたり

3階はというと、こちらも全体的に、ビッグサイズ。CGで創り出された架空の鉱山労働者12人の肖像画。金色の10のインゴット。鉱山の写真。これらの背後に椿さんが設定した、壮大な物語があるはずだ。それを読み取ろうにも、知識不足ゆえ、なかなか込められたメッセージが掴めない。どうやら宗教の起源の問題、パレスチナ問題も絡んでいそうだ。というのは、このあと椿さんのトークショーを聞くことができたからかろうじて分かったのだけど。

作品には一切キャプションがついていない。それは、キャプションを読むことで「分かったふり」してほしくないからだと椿さんは言っていた。しかし受付で配られる解説シートには作品についていろいろ書いてある。トークショーでも作品に込めたものを熱く語っていて、「ほんとは分かってほしい!」みたいなのが伝わって来て若干いじらしいほどだった。

解説シートには、10のインゴットはカバラの球を表すとか、ペインティング12枚とあわせた22という数はセフィロトをあらわすとか、宗教に関連したキーワードが書かれている。このレビューを書く前にネットで調べたりして、もっと考察を深めたかったのだけど・・・。力及ばず。


そして過激なメッセージ

でも、バングラデッシュ犠牲祭で牛が殺される衝撃的映像の前で、金ぴかのスターバックスロゴを模した椿プロジェクトロゴが聖墳墓教会のドアの上できらめいていたり、パレスチナの壁を、国際宇宙ステーションに再利用する絵があったり。

宗教と欲望?
分からないなりにも、なんだか過激なことを言わんとしているのが伝わって来て、
ゴシップ好き?な自分は、多いにそそられた。

パレスチナ問題といえば、先頃、村上春樹がエルサレム賞受賞スピーチで、暗にイスラエルのパレスチナ政策を批判したことが思い出される。高校時代、世界史に夢中になっていたことを思えば、個人的に興味がない分野でもないのだ。さっそく、図書館にパレスチナ関連書籍を予約してみた。眠りに眠っていた知的好奇心が眼を覚ました・・・かも。これがアートの力というやつなのか・・・。
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by PFart | 2009-03-31 19:10 | ART/現代アート展